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中国のデザイン事情 [ムーブメント]

先週末に久しぶりに開催されたSTRAMDの講座で、昨年のお話を聞いて以来、
http://birdland-ad.blog.so-net.ne.jp/2010-11-08
その人物、お仕事、また伝統工芸への造旨の深さからすっかりファンになりましたPAOS上海の王超鷹(Wang Chaoying)さんが。今回は前回の内容も含め、現在中国の一人っ子政策とデザインの現状についてお話をされました。これはレポートではなく、私のフィルターを通しての感想ですので、ご了承ください。

まずは前回もお話しされた、フランスの高級ブランデーメーカーの話です。バー・アルマニャックという超高級ブランデーを中国で売ろうとしたが中々うまく行かず、メーカーは王さんに、本来AOCのラベルを変更してはいけないところをデザインを変えてもいいという妥協案まで持ち出して、なんとかして欲しいという依頼をされた話です。
王さんたちは高いお酒を買う中国人のターゲットを徹底的にリサーチされ、欧米ではシンプルでありながら質の良さが伝わるデザインも、中国では理解されないことに注目。ここには高い酒は人に贈ると言う中国人の習慣要素が強いこともあるようです。

そこで王さんたちはラベルデザインをまったく変えることなく、中国のターゲットに刺さるデザインを思いつきました。それが下記の写真です。ボトルにぴったりはまる24金の非常に繊細な透かし彫りのケースを作り、見た目を「中国人にわかりやすい高級感」で飾りました。
また、高級なもの、売れるものは模倣をされるという中国の現状を鑑みて、トレーサビリティー可能なデータチップをこのケースの底面に埋め込み、一度開封するとデータが消滅するようにしました。

joy.jpg


これは非常に成功されたようで、非常に評価も高く、その後たくさんのオファーが来たようです。ここでやはり素晴らしいと思ったのは、オリジナルのラベルを変えること無く最大の効果を発揮させる方法論をとられたことです。簡単なようで中々出来ることではありませんよね。さらに言えばデザインだけでなく、ブランド力を環境に合わせてさらに高めた技術をも付加した点です。

一人っ子政策のことに関しては、とても長くなるので割愛しますが、どこでも同じ一人っ子と言うのは非常にわがままに育ってしまうので、すぐに来る高齢化社会と同様、中国でも色々な弊害があるようです。王さんたちは、企画された「おもちゃランド」などを通してモノの大切さや環境問題などを教育していこうとされています。

kubeiland.jpg
http://www.kubeiland.com/


僕らグラフィックデザインをする人間にとって非常に興味深かったのは、中国のロゴマークには圧倒的に「赤」が多いと言うこと。彼らは「赤」が、とてもおめでたい色という意識があるようです。日本はすぐに共産主義に結びつけてしまいますが、以前聞いた話でロシア人もやはり赤が好きなんですが、その理由は「美しいから」なんだそうです。
陶宝.jpg
また、同じようにレインボーカラーも大変人気のあるカラーリングのようで、どうしてもターゲット戦略としては使用せざるおえない場合が多いようです。
武蔵美の大学院で学ばれ、ヨーロッパ各地で中国伝統工芸の個展もされている王さんとしては、やはりもっとデザイン的に優れている形や色も使いたいところ。そこは日々悩まれてるようですが、私たちの間でも良く言われる話、「デザインはアートではない」を念頭に、やはりプライオリティーを「企業の認知」や「売れる商品づくりのサポート」に置けば、現在の中国での効果を第1に考えざるおえないようです。
今後中国の人々の意識が変わってくれば、だんだん「クール」なデザインも認知されていくようになるでしょう。

最後に王さんは元々は中国伝統工芸である「切り絵」と「篆刻」の素晴らしいアーティストです。会場にはとてもはさみだけで作られたとは思えない素晴らしい切り絵も展示されました。
私は中国は、その政治的な問題などで日本人の感覚では相容れない部分がありますが、アートディレクターのアラン・チャンやこの王さんみたいに本当に素晴らしい才能を持った人たちがいることも間違い無い事実として認めて行かなくてはいけないなと思っています。

kirie.jpg



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